第533回:効果的な特許を取るには事業との差異を認識しよう!

今回も、特許と事業のお話し。

特許と事業は、ミスマッチを起こす
可能性があります(・∀・)

ミスマッチというのは、
特許を取ったのに、その特許が、
事業を効果的に保護していない
ということです(>o<)

それは、主として次の2点が原因でしたね。

(1)変化能力の違い
(2)戦う土俵の違い

今回は、(2)戦う土俵の違いです。

事業も特許も戦う土俵があります。

事業の土俵って何ですかね?

事業というのは、
言ってみれば、
同一市場における競合との戦いです。

つまり、戦う土俵は市場ですね。
戦う相手は競合です(`ε´)

一方、特許の戦いって何でしょう?
特許だって、
その成立過程において、
戦っているんです(^_^)b

特許というのは、出願されると、
普通は特許庁によって拒絶されます。
その拒絶に対して、反論して、
戦うことによって、最終的に勝ち残り、
特許として認められますヽ(`Д´)ノ

勝ち残れなければ、敗北となり、
特許として認められません(>o<)

これが、特許成立の戦いですな。

このような特許成立の戦いの土俵は
どこにあるんでしょうか。

特許というのは、
言ってみれば、
過去の技術文献との戦いですφ(.. )

過去というのは、今までに既に公開された、
という意味ですね。
技術文献というのは、主として
特許公報ですが、それ以外にも、
論文、書籍、新聞、雑誌、ホームページ、
会社案内、製品カタログなども
含まれます(@_@)

特許は、事業的に価値があるとかないとかは
関係なく、今までに公開された技術と比べて、
進歩が見られるか、という点が評価項目と
なります(^o^)
事業的な価値ではなく、
技術的な価値ですね。

つまり、特許の場合、
戦う土俵は、技術領域であって、
戦う相手は過去の技術文献です。

こうしてみると、
事業の場合、過去の技術文献に掲載
されていたとしても、
現在の市場に似たような製品やサービスが
なければ、勝ち残る可能性はあります。

例えば、スマホなんて、
たいして目新しい画期的な技術
なんてない、と言われてました。
でも、事業的には、大いに価値が
ありましたよね(^○^)

一方、特許の場合、
現在の市場に似たような製品等が
無かったとしても、
過去に累積された文献等によって
既に公開されたものであれば、
勝ち残ることはできません(>_<)

通常、製品化されたものというのは、
技術的には氷山の一角であって、
その製品は、製品化を実現させるための
無数の要素技術によって
成り立っています(^o^)

市場を見渡して似たような製品が
無かったとしても、
その製品を実現させる要素技術に
ついての技術文献の方が
圧倒的に物量は多いのが普通です。

特許の場合、
それら圧倒的な物量の技術文献を
かいくぐるために、いろんな限定が
必要になってきます(^o^)

ここでは、いつも言っていますが、
模倣というのは、原則自由ですね。
特許で余計な限定をすると、
それ以外の範囲では、
競合が原則自由にマネることが
できます(・∀・)

そうすると、せっかく特許を取ったのに、
技術的価値としては勝ち残ったとしても、
その特許の限定を回避したような、
類似した製品が競合から
合法的に出されてしまい、
市場という土俵では、
さほど役に立たない、
なんてことも起こり得ます(ToT)

市場における競合との戦いである事業と、
過去の技術文献との戦いである特許。

このような戦いの土俵の差異が、
特許と事業のミスマッチの
原因の一つとなります(>_<)

なので、特許を1件取ったら安心、
ということではなく、自社の事業と
特許の範囲とが重なっているかどうかを
定期的にチェックすることが重要ですね。

それでは、また次回。

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●●今回のネオフライト奥義●●

・事業とは同一市場における競合との戦い!
・特許とは過去の技術文献との戦い!
・事業と特許の重なりを定期的にチェックしよう!

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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

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