ルブタンとEIZOのハイヒールで不正競争防止法の知財高裁判決?簡単に解説します。

代表弁理士 宮川 壮輔

先日、「クリスチャン ルブタン」が
「エイゾーコレクション」に対して
差し止めと損害賠償を請求した件で、
知財高裁判決が出されました(^_^)b

地裁判決でも、ルブタン側の主張は
認められませんでしたが、
高裁判決でも、同様に
認められませんでした(@_@)

まずは、原告ルブタン側の
ハイヒールのイメージです。


(平成31年(ワ)第11108号)

そして、被告エイゾー側の
ハイヒールです。


(平成31年(ワ)第11108号)

見た目の第一印象としては、
どうでしょうか?

ここではいつも言ってますが、
マネすることは、原則自由でしたね。

ある会社の商品を他社がマネして
製造販売することは、
原則自由です(^○^)

しかし、知財権の範囲内の
ものを他社が製造販売すると、
例外として知財権の侵害
となるわけです
(^-^)

なので、まずは、原告ルブタン側が、
どの知財権に基づいて主張したのか
を認識する必要があります(^o^)

原告ルブタン側は、
このハイヒールに関しての
特許権、実用新案権、意匠権や
商標権はありませんでした(>o<)
となると、著作権?
著作権は、それ単体で鑑賞に
堪えるような美的創造物に対して
付与されるものであって、
工業製品には生じにくいです(>_<)
となると、何でしょう?

はい、不正競争防止法に基づく主張です(^_^)b
これは、“~権”というような名称が
あるわけではありませんが、
知財権の一種です(・o・)

ちなみに、不競法は、
事前の登録なしで主張できます。

つまり、原告ルブタンは、
不競法に基づく差し止め&損害賠償を
請求したわけですね(`ε´)

不競法には不正競争を縛るもの
として“商品等表示”という
こんな規定がありますφ(.. )

●不競法2条1項

他人の商品等表示として
需用者の間に広く認識されている
ものと同一もしくは類似の
商品等表示を使用し、
他人の商品又は営業と
混同を生じさせる行為

“商品等表示”というのは、
誰かしらの商品であることを
表示するものであって、
例えば、商標とか包装などが
あり得ます(^o^)
今回のケースでは、
商品の形態が“商品等表示”
であるとして主張されています。
商品の形態が“商品等表示”
なるためには、どこの会社のものか
見てすぐ分かるような、
他の商品とは異なる特別な形態が
必要になります(^o^)

つまり、
・特別顕著性
・周知性
が必要ということです。

裁判所はこのように判断しました。

原告ルブタン側の商品の形態と
被告エイゾー側の商品の形態とは、
材質等から生ずる靴底の光沢および質感において、
明らかに印象を異にするものであるから、
少なくとも被告エイゾー側の商品の形態は、
原告ルブタン側の商品が提供する
高級ブランド品としての
価値に鑑みると、
原告ルブタン側の出所を表示するものとして
周知であると認めることはできない。

ちなみに、写真で見ると、
大して違わないように見えますが、
実際には、光沢や質感が
結構違うようです(°0°)
つまり、被告エイゾー側のハイヒールは、
商品の形態が異なっているので、
“これはルブタンのハイヒールですよ”
というような出所を表示するものとして
周知となっていない、
と裁判所は判断しました(`ε´)

要するに、
被告エイゾー側のハイヒールは、
商品等表示に該当しない、
と言うことですね
(^-^)

その結果、不競法で規定する
“不正競争”の行為には該当しないので、
原則に戻って、
差し止め&損害賠償は
認められません、ということになりました。

ちなみに、以前、
アップルのスケルトンのiMacは、
不競法の“商品等表示”として
認められました(^○^)

不競法は登録は不要ですが、
権利が不安定となるので、
中小製造業としては、
意匠権などで保護しておきたい
ところですね。


続きは、また次回。


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●●今回のネオフライト奥義●●

・マネは原則自由!
・知財権の一種の不競法!
・知財権を登録しておきたい!

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