氏名の商標が登録され易くなるってどういうこと?簡単に解説します。

代表弁理士 宮川 壮輔

今回は、商標のお話し。

氏名の商標が登録されやすくなりそうです。

今まで、氏名の商標というのは、
なかなか登録されませんでした(°°)

例えば、こんな出願が
拒絶されています(`ε´)

「UNBUILT TAKEO KIKUCHI(ロゴ)」
「ヨウジヤマモト」
「ジュン アシダ」

ちなみに、商標法4条1項8号は
こうなっています(^_^)b
ただし、分かり易くするために
ちょっとだけ変えています。


次に掲げる商標については、
商標登録を受けることができない。

・他人の氏名を含む商標
(その他人の承諾を得ているものを除く。)

つまり、「他人の氏名を含む商標」は、
商標登録を受けることができない、
ということですね
(^_^)v

そうすると、ファッション業界などが、
氏名を含むブランド名について、
商標が取れなくなるので、
産業界からの緩和の要請が
強かったんですね(^O^)

このような流れを加速させたのが、
こちらの“音の商標”。

「マツモトキヨシ」

特許庁の審査では、
この商標は、
「他人の氏名を含む商標」
ということで、拒絶されました(°0°)

さらに争いが続き、
特許庁の審判でも、
この商標は、
「他人の氏名を含む商標」
ということで、拒絶されました(・o・)

そしてさらに争いが続き、
舞台は知財高裁へ。

そして、知財高裁では、
登録を認める判決が出されました。

2021年8月です。
大逆転ですね(^_^)v

ただし、これによって、
他人の氏名を含む商標が取れる、
となった訳ではありません。
他人の氏名を含む商標は、
商標登録を受けることができない、
ということは変わりありません
(`´)

ちなみに、知財高裁が登録OKとした
理屈はこうです。

・商標法4条1項8号は、
人格的利益を保護する趣旨であって、
ここでいう「他人の氏名」とは、
人の氏名を指し示すものとして
認識される場合の話しである。

・「マツモトキヨシ」は、
店舗展開、CMなどにより
ドラッグストアとして
広く知られており、
取引者は、会社として認識して
いるのであって、人の氏名として
認識しているのではない。

・よって、当該商標は、
「他人の氏名」には該当しない。
なので、4条1項8号には該当せず
登録OK!


これらの流れによって、
登録が認められました
(^_^)b
ちなみに、このケースは、
音の商標ですので、
こんな感じで登録されています。

「ド・ド・ド・レ・シ・ラ・ソ」
ですね。

このような判決を受けて、
特許庁が調査研究委員会を
設置しました(@_@)
そして、産業構造審議会で
法改正に向けた議論が
始まったんですね。

その結果、
「他人の氏名」の要件を緩和するとともに、
乱用行為を防ぐ規定も盛り込むよう
法改正がなされる可能性が
高まりました(^○^)
早ければ、来年の通常国会に
改正法案が提出されるそうです。

どのような規定になるのか、
楽しみですね。


続きは、また次回。


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●●今回のネオフライト奥義●●

・氏名を含む商標は取り難い!
・マツキヨが契機に!
・氏名商標の法改正予定!

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