ファスト映画の損害賠償5億円の著作権判決ってどうなってるの?簡単に解説します。

代表弁理士 宮川 壮輔

先日11/17に、ファスト映画に
対する東京地裁の判決が
出されましたね(^_^)b

この訴訟は、損害賠償請求事件
でして、この判決では、
具体的な損害額が算出されました。

訴えた側の原告は、
日活、東宝、フジテレビなど13社。
これら13社に対して総額約5億円支払いなさい、
という内容です(@_@)

そもそもファスト映画って何か?
これは、1つの映画作品を
10分~15分くらいの動画に
まとめた内容紹介動画です。

被告は、このような内容紹介動画を
YouTubeにアップして、
広告収益を得ていたんですね(^_^;

まず、この内容紹介動画を
アップすることの何がイケないのか?

著作権侵害ということですが、
著作権というのは、
いろんな権利の集合体です。
もう少し具体的に落とし込むと、
被告の行為は、著作権のうち、
翻案権と公衆送信権の
侵害ということになりますね。

著作権法27条は、
こうなっていますね(^_^)b

著作者は、その著作物を翻訳し、
編曲し、若しくは変形し、
又は脚色し、映画化し、
その他翻案する権利を専有する。

また、著作権法23条です(^O^)

著作者は、その著作物について、
公衆送信を行う権利を専有する。

つまり、映画についてまとめる動画を
作ったり、YouTubeにアップすることが
できるのは、
そもそもは著作者だけですよ、
ということですね(`ε´)
なので、他者が著作者に無断で
勝手に内容紹介動画を作って
YouTubeにアップすることは、
翻案権と公衆送信権の
侵害ということになります
ヽ(゜Д゜)ノ

賠償額の5億円の根拠というのは、
裁判所の判断では、こんな感じ。

YouTubeでの映画レンタル価格は、
1作品あたり、400~500円程度。
YouTubeに30%の手数料が
充当される点などを考慮して、
1再生あたり200円とする。
この200円に、対象とされた作品の
再生回数を掛け合わせて
損害賠償額とされました
(^_^)b

ちなみに、このような損害額の
算出方法は、著作権法に規定が
ありますφ(.. )

著作権法114条3項

著作権者は、
故意又は過失によりその著作権を
侵害した者に対し、
その著作権の行使につき
受けるべき金銭の額に相当する額を
自己が受けた損害の額として、
その賠償を請求することができる。

つまり、上記の
“受けるべき金銭の額に相当する額”
が、1再生あたり200円と
判断されたんですね(^○^)

ちなみに、対象とする作品は、
判決の著作物目録によると
こんなものがあります。

・犬神家の一族
・告白
・君の膵臓をたべたい
・シン・ゴジラ
・霧島、部活やめるってよ
・ホタルノヒカリ
・DEATH NOTE
・容疑者Xの献身
・真夏の方程式


この判決によって、
海賊版の被害防止のための
一助になると良いですね(^○^)


続きは、また次回。


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●●今回のネオフライト奥義●●

・映画を勝手に変えると翻案権侵害!
・勝手にアップすると公衆送信権侵害!
・海賊版の流通を阻止!

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