第89回:地域名と普通名で商標って取れるの?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、商標のお話し。
先日、こんなご質問がありました。

「地名+普通名称」みたいな商標って取れますか?

例えば、「千葉ピーナッツ」みたいな感じです。
ブー! 答えは、×(バツ)です。
普通は、登録できません。

だって、単に商品の産地を表しているだけですからね。
そんなものに、個人に独占権を与える訳にはいかないですよね。

商標法という法律の目的は、
産業の発達とか消費者全体の利益保護
にあるんです。

個人保護が目的ではないんですね。
なので、基本的には、
「地名+普通名称」
からなる商標は取れません。

ただし、例外があります。

それが、地域団体商標(ちいきだんたいしょうひょう)
というヤツです。

どんなものが取れているかというと、こんな感じです。

・草加せんべい
・小田原かまぼこ
・松阪牛
・宇治茶
・京せんべい
・和歌山ラーメン
・しまね和牛
・広島かき
・博多人形
・長崎カステラ
・関さば

もっとたくさんあるのですが、有名どころを載せてみました。
これらの商標は、普通、権利としてはとれません。
単なる、「地名+普通名称」だからです。

でも、今は、その地域の組合などが権利者となるのであれば、
有名なものは、「地域団体商標(ちいきだんたいしょうひょう)」
として認められます。

その地域の組合に入れば誰でも使えるし、かつ、
怪しい業者が勝手に
「松阪牛」と付けるのを禁止することができますよね。

つまり、その地域の正当な業者が適正に使用するようになれば、
産業発達にもつながるわけです。

まあ、この「地域団体商標(ちいきだんたいしょうひょう)」、
ことの発端は、中国です。

中国で、「青森」などの商標が出願されて、注目されました。
「こいつはイカン!」
ということで、「地名+普通名称」であっても、
一定の条件を満たせば、日本でも認められるようになったんですね。

まあ、それでも、個人や普通の会社にはそんなに関係ないかな。
地域ブランドなどを考えるときに、重要になってきます。
今回は、地域団体商標(ちいきだんたいしょうひょう)の
お話しでした。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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