第62回:特許で技術を広く守るには?Part2

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、特許のお話しです。
これまで、”特許というのは言葉の世界だ”
という話をしてきました。

具体的にはこんな感じです。
「AとBを備える時計」

社長が、この特許を取ったとしましょう。
競合他社が、「AとBを備える時計」を販売したら、
これは社長の特許権の侵害ということになります。

コンプライアンスのこの時代、特許権の存在を知りつつも、
特許権侵害の製品を堂々と販売するってことは、
日本では徐々に減ってきていると思います。

ちなみに、特許権の存在を知らずに、
「AとBを備える時計」を販売してしまっても、
特許権侵害となりますから、気を付けてください。

法というのは、一般的に、
無知なる者を保護しようとは思っていませんからね。

さて、競合他社は、「AとBを備える時計」という
社長の特許権の存在を知ったとしたら、どうすると思いますか?

「AとBを備える時計」という特許権を
回避するモノを作れないか考えますよね。
つまり、「Aを備える時計」とか、
「Bを備える時計」を作れないかと考えます。

まあ、それだけでは、競合他社は自分の特許が取れませんから、
できるだけ独自の技術を組み込みたいわけです。

そして、「Aと”C”を備える時計」を作れないかどうか
を検討し、「Aと”C”を備える時計」で特許を取ろうとします。

競合他社は、「Aと”C”を備える時計」で特許が取れれば、
社長の特許権を回避することが出来るだけでなく、
「Aと”C”」に関して自社に独占権が発生します。

競合他社が天下の大企業であれば、
あっという間に「Aと”C”を備える時計」で
シェアを奪われてしまいますね。

じゃ~、どうすればいいのかっていうと、
社長が特許出願する時点で、
「Aと”C”」が含まれるように、
なるべく広く権利を取ればいい訳です。

最初から権利範囲を広くしておけば、競合他社は、
「Aと”C”を備える時計」を作れない訳ですよ。

弁理士というのは、権利範囲をなるべく広く
することができるように考えます。

情報を整理し、本質をとらえ、上位概念化します。
これは、エンジニアとはまた違った思考です。
この辺が、弁理士の腕の見せ所であったりもします。

でも、本当に効果的に権利範囲を広げるためには、
技術屋社長やエンジニアの協力があった方が良いですね。

競合他社がどんな技術で参入するかとか、
事業目的などと照らし合わせて、
技術と事業と知財とが一体となって考えていった方が、
効果的な権利となり易いです。

まだまだ弁理士というのは、
言われた発明について広く権利を取りますよ
というレベルで止まってしまっているような気がします。

これからの弁理士は、お客さま企業に
もっと深く関わっていって、
事業目的を達成するための効果的な手段として
知財を提供していくべきですな。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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