第219回:3Dプリンタの利用と知財の関係とは?Part2

 

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。

さて、今回は、3D時代の知財のお話し(^0^)

前回、3D時代の個人ユーザーの実施態様を分類してみました。

復習は、こちらです。

第218回:3Dプリンタの利用と知財の関係とは?

 

今回は、各実施の態様について、

知財権の侵害になるかどうかを検討してみましょう(^_^)b

その前に、注意事項 以下の4つ。

 

1.知財権という言葉を使います。

知財権(知的財産権)という権利はありませんが、

ここでは、全体を俯瞰して見たいので、

特許権、著作権などをまとめて、「知財権」と言うことにします(^0^)

 

2.権利者視点にそろえます。

侵害してるかどうかの話しをする場合、

権利者の立場から見て、誰かに侵害されたかどうか、

という権利者視点と、

実施者の立場から見て、権利者の権利を侵害してないかどうか、

という実施者視点がありますね。

これらの視点は、表裏の関係であって、

どちらも事象としては同じことです。

ここでは、実施者視点が少しネガティブな感じがするため、

権利者視点で話しをしま~す( ^o^)

 

3.知財権の話しに限定します。

実施者の実施が許されるかどうかは、

知財権だけで決まる訳ではありませんね。

例えば、契約などの民法上の権利義務などにも影響されます。

ただし、契約などを含めると、いくらでも話しが広がっちゃうので、

ここでは、知財権の侵害の話しに限定しま~す(^□^)

 

4.原則→例外の順番をはき違えないこと。

このメールレターで結構お伝えしていますが、

法律は、例外がたくさん入り乱れています(ToT)

しかも、例外は、インパクトがあるため、

不慣れな方は、例外に直接食いついてしまいがち。

これは、判断を見誤ります(゚Д゚)

必ず、原則を認識した上で、こういう場合は例外、

という順番をしっかりと意識しておくことが重要ですな(・o・)

 

注意事項だけで、こんなに長くなってしまった(・д・)マズイ

これからが、本番です。

個人ユーザーの実施態様は、大きく2種類ありました。

今回は、それら2つのうち、

「1.個人使用の場合」

についてお話しします。

「2.業務使用の場合」は、また今度で~す。

(1)自主制作について

こいつは、発想からモデリングから造形まで、

すべて実施者が行う場合ですね。

つまり、権利者視点としては、

自分が知財権を持っていたとして、

第三者が勝手にその知財権の範囲のモノを作ってしまった、

という状況ですな(・o・)

この場合、原則としては、侵害にはなりません。

例えば、特許権などの場合、

個人使用の場合には権利の効力は及ばない、

ということになっています。

また、著作権の場合、

誰か別の人が作ったモノが先にあったとしても、

自分で考えたモノは、「複製」にはなりません。

なので、「自主制作」の場合、

原則として侵害にはなりません(@_@)

(2)他社利用
(i)他人のモノをマネする場合について

こいつは、実施者が、権利者のモノをマネした場合ですね。

この場合も、原則として、侵害にはなりません(ToT)

例えば、特許権の場合、先ほど言ったように、

個人使用の場合には、マネされたとしても侵害にはなりません。

また、著作権の場合、「複製」にはなりますが、

私的使用の場合の複製は、侵害にはなりません。

ただし、実施者が、マネした3Dデータをアップロードして、

誰にも見れるようにした場合、

こいつは私的使用の範囲を超えるので、

著作権のうちの複製権侵害になりますね。

ちょいと、注意が必要ですな(^_^)b

(ii)流通データを利用する場合について

こいつは、実施者が、権利者のモノの基となる3Dデータを

ダウンロードしてプリントアウトする行為ですね。

この場合、原則として、侵害にはなりません。

何回も言いますが、個人使用の場合、

侵害にはなりませんからね~。

(iii)3Dスキャンなどによる取り込みについて

こいつは、実施者が、権利者のモノを3Dスキャンして、

そのデータをプリントアウトする行為ですね。

この場合も、原則として、侵害にはなりません。

はい、出ました、個人使用です。

ここらで、まとめましょう。

「1.個人使用の場合」

(1)自主制作について

→×(非侵害)

(2)他社利用
(i)他人のモノをマネする場合について

→×(非侵害)

(ii)流通データを利用する場合について

→×(非侵害)

(iii)3Dスキャンなどによる取り込みについて

→×(非侵害)

このように、総じて言うと、

個人使用の場合は、実施者が使用したとしても、

原則、侵害にはならないと思います。

もちろん、例外はありますけどね。

なお、現在の法律は、プリントアウトすることによって、

個人が簡単にモノを造形できる事態を想定していません(゚Д゚)

なので、個人使用の場合の影響が

あまりにも大きくなりすぎて、

経済的損失が無視できなくなったとしたら、

法改正の余地は充分あり得ると思います(゚ω゚)

例えば、下記の場合。

・3Dスキャンしてプリントアウトする行為

・3Dデータが侵害になり得ることを知ってダウンロードする行為

これらの場合、著作権法上の私的使用の例外としたり、

特許の権利が及ぶものとするなどの法改正があるかもしれません。

まあ、この辺は、もっと先にならないと分からないですけどね(^◇^;)

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●●今回のネオフライト奥義●●

・3D時代の個人ユーザーによる個人使用は、原則として、侵害にはならない!

・ただし、当然のことながら、例外はあり得る!

・特に、3Dデータのアップロードは、私的使用の範囲を超えて複製権侵害となり得る!

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いや~、今回は、ちょいと長くなってしまったかな。

2回に分けようかと思ったんですが、

ちょっと中途半端なので、

1回にしちゃいました(^0^;)

おそらく、次回以降の「2.業務利用の場合」の知財関係は、

結構複雑になりますので、

2回に分けることになると予想しています。

 

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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