第14回:著作権、勝手に変えて良いの?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、著作権のお話の続きです。
前回、著作権には、以下の2つの性質があるという話をしました。

1.移転できない「著作者人格権(ちょさくしゃじんかくけん)」

2.移転できる「著作財産権(ちょさくざいさんけん)」

著作者人格権のお話をしましょう。
著作者人格権は、
“とん吉、ちん平、かん太”
の3兄弟からなっています。

実際の3兄弟は、顔クリソツですが、
権利内容としては、そんなに似ていません(笑)

3つの中で一番おさえておきたいのが、以下の権利です。

■他人から勝手に内容を変えられない権利

誠実な人の文章を他人が勝手に書き変えて、
極悪人に仕立ててしまうということ、できちゃいますよね。

たとえば、赤毛のアンのおじいさんマシューの手紙を、
デトロイトメタルシティのクラウザーさんが勝手に書き換えたら?

もう、「fuck,fuck,fuck!」となってしまい、
アンのおばさんマリラもびっくりです(笑)

ようするに、他人が勝手に変えてしまうと、
著作者の人格が害されることになるんですね。

それを防止するための権利なんです。

したがって、ある作品の内容を他人が変えようとする場合、
その著作者の承認が必要となる訳です。

この権利のことを、
「同一性保持権(どういつせいほじけん)」
といいます。

難しそうな言葉ですが、ちゃんと意味を考えるとそのまんまですね(笑)

さて、三谷幸喜さん脚本の「ラヂオの時間」の中では、
生放送中、いろんなハプニングが発生します。

そのハプニングを乗り越えるために、
プロデューサーの西村雅彦さんが、原作の内容を
リアルタイムで変えていきますよね。

でも、原作の内容を変えようとするたびに、
西村雅彦さんがいちいち鈴木京香さんに許可を求めています。
鈴木京香さんは、生放送という緊迫した雰囲気に飲まれて、
しぶしぶOKするわけです。

最後には、原作の内容がほとんど変わっちゃいます(笑)
西村雅彦さんが鈴木京香さんにいちいち許可を求めているのは、
鈴木京香さんが同一性保持権を有しているからです。

つまり、鈴木京香さんの許可無しに勝手に変えてはいけないんです。
同一性保持権は、鈴木京香さんと運命を共にするため、
制作会社に移転することはできません。

だから、西村雅彦さんも走り回って、
鈴木京香さんに許可を求めています。

次回は、著作財産権のうちの複製権(ふくせいけん)のお話です。

お楽しみに\(^_^)/

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

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