第222回:3Dプリンタの今後の市場とは?

 

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。

さて、今回も、3Dプリンタのお話し(^0^)

ビジネス的な観点から、ライフサイクルの流れを見ていきましょう。

3Dプリンタの歴史をちょいと調べてみた。

3Dプリンタというと、最近の製品のように感じるかもしれませんが、

意外と古くからあるようですな。

研究自体は、1970年代から始まり、

1980年(昭和55年)に初めて特許出願されたそうです。

ちなみに、世界で初めての特許出願は、

日本人によるものだそうですよ。

3Dプリンタの発明は、日本人が最初だったとは、

しかも、わたしが、小学生の頃にすでに出願されていたとは、

ちょいとビックリですな。

事業化されたのは、アメリカで1980年代のようです。

つまり、導入期は、1980年代。

ライフサイクルでいうと、

導入期 ~ 成長期 ~ 成熟期 ~ 衰退期

の順に推移していきます。

最近の状況としては、本「メイカーズ」の出版から始まって、

ちょっとしたブーム。

新規参入も増えてきています。

おそらく、成長期に入ったんじゃないかなぁ。

まあ、仮に、2013年が成長期突入だったとしましょう。

そうなると、導入期の1980年代~成長期の2013年まで、

だいたい30年。

各サイクルがだいたい同じくらいの時間で推移する、

という経験則があるようです。

そうすると、3Dプリンタに関する今後の展開が

ザックリと見えてくるかもしれません。

 

30年サイクルと仮定すると、こんな感じ。

●導入期・・・1980年代~

●成長期・・・2013年~

●成熟期・・・2040年~

●衰退期・・・2070年~

 

3Dプリンタの市場としては、

これから2040年くらいまでは、成長期になるでしょう。

ちなみに、導入期の特徴はこんな感じです。

とにかく、時間がかかります。

技術的な課題、生産能力拡大の遅れ、ユーザの認知の少なさ、

ユーザのこれまでの慣習を変化させる、などなど。

問題が山積みで、当然、売上高の伸びは、緩やかなものです。

経費がかかるので、この時期は、

キャッシュフローが大幅にマイナス。

 

それが、成長期になると、状況が一変しますね。

まずは、新規参入組が増えます。

現在、3Dプリンタ市場への新規参入組は、増えてますね。

日本メーカーも新製品を出し始めてます。

https://japan.cnet.com/article/35034388/

 

わたしとしては、やっぱり日本メーカーにがんばって欲しいです。

それから、この時期は、製品の品質改善がなされ、

機能も増えていくでしょう。

おそらく、精度、スピード、対応素材などが

急速に改善されていくでしょうね。

企業のプロモーションも増え、市場規模はどんどん拡大していきます。

プロモーションの内容も、製品の告知のための広告から、

購入を促すための広告へと変わっていきますね。

そして、競争が始まるので、価格は少しずつ下がっていきます。

この時期に取る企業の戦略が、

後の成熟期のリーダーを決める大きな要素になりますね。

マーケットシェア獲得重視でいくか、

それとも、利益を追求するか、

参入企業は、製品品質とビジネスモデルを考えて進んで行かないといかんですな。

例えば、周辺分野では、どんな発展を遂げていったのでしょう。

通常のプリンタで言えば、インクリボンなどの消耗品による回収モデル。

3Dプリンタでも、本体価格を激安にして、造形素材を割高にするという

ビジネスモデルが登場するかもしれない。

造形素材の本体への接続機構について特許を取って、

通常プリンタと同様の特許紛争なども起こるかもね。

まあ、この手のビジネスに対するユーザの飽きや不信感などから、

3Dプリンタでも同じモデルが通用するかは分かりませんね。

今はやりのやり方としては、

装置を取り込んだ上位サービスの提供でしょうか。

アップルが、iPodやiPhoneなどを売るだけでなく、

itunesなどによるコンテンツやアプリの提供を

セットとしてビジネスを構築しました。

この手のやり方は、アメリカは上手ですね。

現在、3Dプリンタを販売しているメーカーは、

だいたい独自のネットワークを作って、

会員同士のコミュニケーションの場や3Dデータなどを提供しています。

なので、単に会員フォーラムを作るだけでなく、

ちゃんとビジネスとして設計しないとダメでしょうね。

メーカーが、デザイナーやモノ作りの人たちとの

マッチングサービスなどもやったりするかもしれません。

このとき、特許やノウハウで守るべきところを守った上で、

オープンにすべきところを積極的にオープンにするように

設計していくことも重要になるでしょう。

また、プリントを請け負うキンコーズ的なサービスも増えるでしょう。

ここには、3Dプリンタを利用した現行のいろんなサービスがありますね。

http://www.japanese-makers.com/archives/1415

 

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●●今回のネオフライト奥義●●

・3Dプリンタ市場は、成長期に突入!

・成長期には成長期に応じたビジネスの設計が重要!

・3Dプリンタメーカーのビジネスモデルに注目しよう!

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まあ、いずれにしても、3Dプリンタは、

これから成長期に入ります。

 

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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