第94回:実用新案ってなに?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、実用新案のお話し。
最近、わたしの事務所では、
実用新案のご依頼が、増えてきている気がします。

でも、実は、ご依頼する方も、
実用新案のことがよく分かっていない、
ということが、とても多いんです。

そもそも、実用新案って何? 特許とどう違うの?
って感じです。

実用新案のポイントを見ていきましょう。
もし、社長が、特許か実用新案かで迷っているとしたら、
実用新案で最低限知っておくべき点は、
以下の2つです。

(1)実用新案は、審査されずに、ほとんど登録される。
(2)実用新案は、権利を使うとき、ちょいとメンドウ。

順に見ていきます。

(1)実用新案は、審査されずに、ほとんど登録される。
そう、実用新案の場合、審査されませんので、
基本的には、何でも登録され、盲目的に権利が発生します。

わたしが、目の前のシャーペンや電卓について出願しても
権利は発生することになります。

さらには、わたしが、エジソンの電球やDr.中松の
フロッピーディスクについて出願しても、権利は発生します。

つまり、実用新案は、


とりあえず何でも権利を与えるから、
あとは当事者同士でやればええやんけ~

という考えなんです。

お上(おかみ)によって権利が与えられる、
という日本人的感覚からすると、
違和感があるかもしれませんが、本当です。

その分、特許よりも権利になる期間は早いし(半年前後くらい)、
費用も安いです(特許の半額以下です)。

(2)実用新案は、権利を使うとき、ちょいとメンドウ。
権利を使うというのは、第3者に販売を止めさせたり、
損害賠償を払って貰う場合のことです。

実用新案は、何でもかんでも盲目的に権利が認められますから、
実際には、カラの権利もたくさんあるんです。

カラの権利というのは、
とうてい権利なんて認められないような、
しょっぱいレベルのものです。

そんなカラの権利を使うことについて、
なんの規制もないとすると、社会が混乱しますよね。
悪用する人が、必ず現れますから。

なので、権利を使うときには、
ちゃんと有効な権利かどうかを特許庁に評価してもらって、
その評価結果を相手方に示さなきゃダメよ、
というようになってます。

イメージとしては、
特許が先に審査して後で権利を与えるのに対して、
実用新案は、先に権利を与えておいて、
請求があったものだけ後で審査する
って感じかな。

さらに審査といっても、実用新案の場合、
特許と違って簡易的な審査しかしませんので、
権利の有効性を保証している訳でもありません。

権利を使う側にかなり責任を負わしているんです。
つまり、「自分たちで調べて、責任もって権利を使いなさい」
っていう冷たく突き放した感じです。

その辺が、実用新案のメンドウな点ですね。
なので、特許と実用新案で迷ったら、
基本的には、特許で出願すべきです。

ただし、料金的には、特許と実用新案とでは、
バカにできないくらいの差がありますので、
どうしても安くすませたい、というときには、
実用新案でもOKです。

ただし、実用新案は、特許よりも使いづらい、
という点は、認識しておく必要があります。

まあ、迷っているのであれば、ご遠慮なくご相談くださいね。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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