第649回:中小製造業は、特許を取ると利益が上がるのか?

今回も、特許のお話し。

特許を取ると利益が上がるのか、
というお話しです。
ここでの利益というのは、
財務上の利益であって、
例えば営業利益のことです(^O^)

絶対的な正解は分からないと言えますが、
私の考えはこうです(^_^)b

特許を取れば利益が上がるという
直接の因果関係はないが、
特許を取る企業は利益が高いという
相関関係はあるはず
(o^^o)


以前、特許庁が、
中小企業に対して知財の
調査をしたことがありますφ(.. )

そのレポートがこちらです。
「中小企業の知的財産活動に関する基本調査」

https://www.jpo.go.jp/resources/report/chiiki-chusho/report_chusho_chizai.html


このレポートによると、
2015~2017年の3年平均で、
中小企業に対して、
特許の有無による営業利益率を
まとめたところ、以下の結果でした。

●特許権あり:3.9%
●特許権なし:2.8%

この結果によると、
特許権ありの中小企業の方が
1.1ポイントほど高いということになりますね。
たかだか1.1ポイントだと思うかもしれませんが、
平均値で営業利益率1.1ポイントの差は、
まあまあ大きいですね
(^o^)

ただし、この結果は、全業種含まれているので、
そもそも特許を取ることの少ない業種である
サービス業なども含まれます。

そこで、特許を取ることの多い業種である
製造業に絞った方が、より特許との関係性を
表しやすいと思われるので、
製造業に絞るとこんな結果でした。

●特許権あり:5.6%
●特許権なし:2.8%

特許権ありの中小製造業の方が
2.8ポイント高いという結果になっています。
平均値で営業利益率が2.8ポイント
というのは、結構大きいですね(°°)
比率で言うと、
特許権ありの営業利益率が
なしに対して2倍になってますからね。

こう見ると、やはり特許と利益との間には、
相関関係はありそうです
(@_@)

では、なぜ特許を取ると利益が上がるのか?

まず、利益率の大小の源泉は、
競合他社との“違い”です
!(^^)!
まったく“違い”が無かったら、
顧客が決定する要因は、
“価格”のみになります
(>_<)

つまり、価格競争ですね。
そうなると、利益率は下がっていきますし、
度を超すと疲弊していきますね(ToT)

一方、競合他社との“違い”があって、
その“違い”に対して
顧客が価値を感じるなら、
“価格”以外に決定要因が
あることになります
(^-^)

これによって、“価格”を下げることなく、
売上を上げることができますね。

特許を取るということは、
「新規性」・「進歩性」をクリアしてますから、
その特許の対象については、
“違い”にはなり得ます(^O^)
つまり、競合他社との“違い”を創造している、
ということが言えます(^-^)

もちろん、その“違い”が顧客にとって
価値のあるものである必要はあるものの、
特許を取るということは、
利益率の大小の源泉となる、
“違い”を創造しているということであり、
その結果、“価格”以外の決定要因を
有することになり、高利益率を出しやすい
と言えます
(^o^)

以上のように、
特許を取ると利益が上がるのか?
という問いに対しては、
特許を取れば利益が上がるという
直接の因果関係はないが、
特許を取る企業は利益が高いという
相関関係はある、
というのが私の仮説ですな
(@_@)


続きは、また次回。


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●●今回のネオフライト奥義●●

・特許と利益との間には相関関係あり!
・重要なのは、“違い”!
・“違い”が利益の大小を左右する!

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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

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