第476回:なぜ、特許って早い者勝ちなの?

特許の世界は、早い者勝ち、
って、聞いたことありませんか?

つまり、先に出願した人が勝ち
ということですね(^_^)

もっとはっきり言うと、
こういうことです。


先に発明した人にではなく、
先に出願した人に
特許が与えられる。

ということは、
先に発明した人がいたとしても、
後に同じ発明をした人が、
先に発明した人よりも前に
特許出願すれば、
後に発明した人に
特許が与えられるということです。

う~ん、これって何か
おかしくないですか?

実は、先に発明した人にこそ、
特許を与えるべきなんじゃないか、
という考えもあります(゜ロ゜)

ちなみに、先に発明した人に特許を
与える考え方を、
「先発明主義(せんはつめいしゅぎ)」
といいます。

一方、先に出願した人に特許を
与える考え方を、「先願主義」と
いいます。

先発明主義と、先願主義との
対立ということですな(`ε´)

実は、日本も、かつては先発明主義
だったんです(゜ロ゜)
大昔ですけどね。
それが、大正10年の改正で、
先願主義に変えられ、
それからずっと、先願主義となってます。

じゃ~、世界的にはどうかというと、
もう圧倒的に先願主義がとられて
います(゜∀゜)

ギリギリまで先発明主義を採用していた
のが、アメリカですな。
最後の大国です。
それが、2013年から先願主義に
変えられました。

そのため、世界では、もうほとんど
先願主義 一色となっています。

何となく、直感的には、
先発明主義の方が正しいように
感じますよね(^_^)

でも、日本も含めて世界のほとんどが、
先願主義を採用している、
という点からも、先願主義にも
なにやらメリットはあるはず。

先願主義の最大のメリットは、
以下の点です。

●権利が安定する

例えば、Aさんに特許が与えられたとして、
Aさんはライセンス収入を稼いで、
いろいろと訴訟なども行いました。
そして、何年も経ってから、
実は、その発明、Bさんが
先に発明したんです、
となると、どうですか?

正当な発明者はBさんなんだから、
Bさんに特許を与えるとしましょう。
そしたら、Aさんの特許はなかった
ことになるわけですよね。
今までのAさんと相手方との関係や
状況を白紙に戻す、
なんてこと、できますか?
産業全体として考えても、
効率が悪いですよね(ToT)

誰かが特許を取ったとしても、
実はまだ名乗りを上げてない誰かが、
先に発明しているかもしれない、
となると、権利が非常に不安定に
なる訳です(>_<)

それが、先願主義なら、
先に出願した人が勝ち、
というルールですから、分かり易いですし、
先に発明した人が後から
ひっくり返すなんてこともなくなります。

実は、特許制度の最終目的は、
発明家の発明を守ることでは
ありません。
日本国内の産業の発達です。

先願主義と先発明主義とで、
どちらの方が産業発達に寄与する
でしょうかね。

権利が安定する方が、
産業活動も安定しやすいんじゃ
ないですかね。

日本も含めて世界が、
先発明主義から先願主義へと
乗り換えたという事実からしても、
先願主義の方が
制度としてやりやすいと言えるでしょうね。

まとめますと、
なぜ先願主義がとられているかというと、
権利の安定化を図り
産業発達に寄与するため、
です(^○^)

続きは、また今度。

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●●今回のネオフライト奥義●●

・特許は先に出願した者勝ち!
・先願主義と先発明主義がある!
・先願主義は権利が安定しやすい!
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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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