第22回:商標に必要な識別する力とは?

さて、今回は、商標の話です。
突然ですが、商標で一番大事な力って何だと思いますか?

、、、、、?

それは、他の商品と区別する力です。
まあ、そもそも何で商標なんてつけるのさ?
ってことを考えてみましょうよ。

これがわたしの商品なんですっていうことを訴えるためですよね。
つまり、他の商品ではなく、
「イッツ・マ~イン!」と言いたいがためなんです。

となると、他の商品と区別する力ってのは、とうぜん必要ですよね~。
実はこれって、商品を供給する側だけの問題ではないんですよ。

ん?何が言いたいの?

はい、区別する力ってのは、買う側にもメリットがあるんです。
だって、区別する力があれば、「あっ、これこれ。」って、
買いたいものがすぐに分かるじゃないですか。

「かっぱえびせん」って書いてあれば、
そうそうって安心して「かっぱえびせん」が買えるんです。

そうなんです、商標の区別する力ってのは、
商品を供給する側にとっても、買う側にとっても、
とても重要なんですね。

なので、商標として登録するためには、区別する力が要求されています。

区別する力のことを識別力(しきべつりょく)って言ってます。
この言葉、「識別力」って、とっても大切ですので、
覚えておいて損はないですよ。

じゃ~、どんな商標なら識別力があるんでしょう?

その辺をとらえるには、どんな商標だと
識別力がないのかを考えた方が早いです。

識別力がない商標ってのは、いわゆる、「まんまネーミング」です。
「まんまネーミング」というのは、
そのまんまという意味のわたしの造語です。

たとえば、「りんご」っていう商品に対して、
「アップル」という商標は、まさに「まんまネーミング」です。

想像してみてください。
リンゴの段ボールに、「アップル」と書いてありました。
これって、他のリンゴと区別できますか?っていう話ですよ。
こういうのは、商標登録できませ~ん。

しか~し!

「アップル」という商標でも登録されることはあるんです。
え~、だって識別力ってやつが無いじゃん?と思いますよね。

ここで、前回の復習。
商標の権利って、何で決まるんでしたっけ?
忘れた~っていう方は、ジョジョに覚えていきましょう。
この2つでしたよね。

(1)商品・サービス

(2)商標そのもの

さっきの話は、商品「りんご」に対して、
商標「アップル」というものでした。

じゃあ、商品を代えてみたらいいんじゃない?
こうしてみましょうか。

商品「コンピュータ」に対して、商標「アップル」は?

そうです、マックやiPODのアップル社です。
これは、実際に登録されてます。
だって、商品「コンピュータ」、商標「アップル」の権利は、
商品「りんご」にまで、及ばないんです。

だから、商品「コンピュータ」に対して、商標「アップル」は、
識別力があるんです。

つまり、識別力ってのは、商品との関係によって初めて決まるんですね。

商品「水」に、商標「ウォーター」は、識別力なしとされますが、
同じ商標でも、商品「腕時計」なら、識別力ありです。

商標登録を考えているのであれば、
識別力ってやつを検討してみてくださいね。

それでは、また次回。

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

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