第140回:ポラロイドとコダックの訴訟の結果は?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、インスタントカメラのお話し。
宮川さんは、インスタントカメラって
覚えてまますか?

そう、ポラロイドの製品です。
シャッターを押すと、フィルムみたいなものを
取り出して、数分経つと、写真ができるヤツです。

このインスタントカメラ、ほとんど競合製品も
なく、インスタントカメラと言えば、
ポラロイドってイメージが定着しましたよね。

実は、このインスタントカメラにも、
特許の争いの歴史があったんですよ(°°)

その名も、
ポラロイド vs コダック
です(ーー;)

米国でのお話しです。
ポラロイドは、企業規模では遥かに劣るものの
インスタントカメラ先発企業。

一方、大企業のコダックは、後発企業。
コダックは、ポラロイドの特許を徹底分析して、
これで特許侵害はないと、自信満々に販売を
開始しましたヾ(^v^)k

ポラロイドにしてみれば、大企業コダックは、
最大の脅威(゜_゜;)ヤバイ

そこで始まった、ポラロイドとコダックの
インスタントカメラ訴訟。

結局、この勝負どうなったかというと、

はい、

ポラロイドの全面勝利です。

コダックは、高額な損害賠償を払わされることに
なりました。
その額、約1,200億円です。
ハンパな金額じゃないですな(゜Д゜)

さらに、コダックは、差し止め請求を受けて、
市場から追い出されました(ノД`)

市場に出回っている流通在庫まで、すべて回収です。
しかも、工場も閉鎖し、弁護士費用だけで
数10億円だそうです。

自社よりも遥かに大きな企業を市場から追い出す
というのは、ポラロイドにしてみれば、
してやったりですな(♯`∧´)

それでは、敗訴したコダックとしては
どうしておけば良かったんでしょうかね~。

わたしは、主として以下の2点とミタ。

●競合技術を含む攻めの特許の取得
●知財動向の先読み

まずは、
●競合技術を含む攻めの特許の取得
です。

コダックが、ポラロイドの特許を徹底分析して、
権利範囲を回避すると判断したのは良いとしましょう。

そのときに、コダックは、ポラロイド製の
インスタントカメラが権利範囲に入るような特許を
取っておけば、状況は変わっていたでしょう。

つまり、コダックとしては、
「あんた、ポラさんの特許を侵害してまっせ~」
と判定されたとしても、
「おいおい、そっち(ポラさん)こそ、
あっし(コダック)の特許を侵害してるざ~んす」
という特許を持っていれば、対等な立場で
交渉に持ち込めるってことです(^_^)v

そう、クロスライセンスです。
オイラの特許も使わせてあげるから、
チミの特許も使わせてね、
ってことです。

特許というのは言葉の世界ですから、
出願のときに、他社技術が含まれるように
言葉を追加するだけでいいんですね。

そのためにも、他社技術を常に把握しておくことは
とっても重要です。

それから、●知財動向の先読み です。
この時代は、アンチパテントからプロパテントへと
移行しつつある時代でした。

つまり、特許の保護強化を図る、という
アメリカの強い意思が明確に現れ始める時代。
ということは、これからの裁判は、権利者有利に
流れるかも、という先読みができたかもしれない。

そうだとしたら、コダックは、市場投入の前に、
ポラロイドと戦えるだけの知財を補強しておく、
といった戦略があり得たかもしれません。

まあ、これは、後付けだから言えるのかも
しれませんね~。

だた、ポラロイドは、特許訴訟には勝ちましたが、
結局、経営的には破綻してしまいました(×_×)

これは、デジカメという新たな製品の登場
によるところが大きいでしょう。

ということで、これからのメーカーに必要な
2つの要素を足しておきます。

●常に技術の先を読め
●効果的なビジネスモデルを組み立てろ

それでは、また次回。

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

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