第125回:飲食店の商標の問題例は?Part2

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、お菓子のお話し第2弾。
前回、堂島ロール(大阪)と
ゴンチャロフ製菓(神戸)の
関西洋菓子戦争のお話しをしました。

そのあと、Mさんから、こんなご質問を頂きました。

モンシュシュは、2003年から看板や包装箱などに
「Mon chouchou」と表記し、
その後、飲食物を提供する「役務(サービス)」に
ついての商標として登録されたようです。
モンシュシュは、商標登録が可能なのに、
商標権侵害になるのでしょうか?
というご質問です。

う~ん、なかなかこのご質問は、スルドイですね~。
わたしとしては、この点についても書きたかったのですが、
文字数の都合で書けなかった部分なんです(T_T)

でも、この点は、商標のおもしろい部分なので、
Mさんへの返答メールを転用して、
第2弾として紹介しますね。

まず、商標というのは、2つの要素がないと
権利範囲が決まらないんです。

それは、あたかも、地図上において、
経度と緯度の2つの要素が無いと
場所が決まらないのと一緒です。

商標の権利範囲を決める 2つの要素というのは、

●ネーミング
●使用する商品・役務

の2つです。

したがって、同じネーミングでも、
使用する商品・役務が違えば、
権利範囲は別になります。

もちろん、使用する商品・役務が同じでも、
ネーミングが異なれば、権利範囲が別になることは
言うまでもありませんね。

ちなみに、商標の出願時に、
上記2つの要素をビシッと指定するようになってます。

つまり、
同じネーミング「MONCHOUCHOU」に対して、

●ゴンチャロフ製菓の使用する商品「菓子」と、
●モンシュシュ社の使用する役務「飲食の提供」

との2種類の商標権がそれぞれ適法に併存することになる訳です。
お互いに権利範囲が及んでないので、OKってことですね(^_^)b

ということは、
モンシュシュ社は、
「店内で召し上がりますか?」
と言って、飲食を提供しているだけなら、適法なんです。
自分の商標権の範囲ですからね。

ただし、
「お持ち帰りなさいますか?」
とやっちゃうと、
これは「菓子」としての商品商標となるので、
ゴンチャロフ製菓の商標権の侵害となる訳ですね(゜Д゜)

あと出しジャンケンとなりますが、
ゴンチャロフ製菓としては、
使用する役務「飲食の提供」も
商標権として抑えておくべきでしたし、
モンシュシュ社としては、
別のネーミングで、
商品「菓子」と役務「飲食の提供」の2つを
抑えておくべきでした。

商標は、なかなか奥が深くておもしろいですな。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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