第72回:特許権っていつまで続くの?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、特許の存続期間のお話しです。
前回、商標の存続期間の話しをしましたね。

何年でしたっけ?
そう、10年ですね。

じゃ~、特許は何年でしたっけ?
はい、20年

というのは、間違いです。
結論から言うと、特許の存続期間は、それぞれ異なるんです。

詳しく言うと、特許というのは、出願から20年で消滅します。
でも、特許のスタート時は、出願のときではありません。

特許のスタート時は、登録時です。
時系列に並べると、こんな感じです。

出願 → 登録 → 消滅

特許の存続期間っていうと、特許のスタート時である
登録時から数えなければいけませんよね。

でも、「登録時から何年」というようにはなっていません。
あくまでも、「出願から20年で消滅する」ということに
なっているだけです。

つまり、出願した時点で、特許の消滅する時期
だけが自動的に決まるんです。

登録時っていうのは、出願後の手続きの進み具合とか、
特許庁の審査具合などによって、
案件ごとに変わってくるんです。

仮に、出願から登録まで3年かかったとすると、
その特許の存続期間は、20-3=17年ということになります。

また、出願から登録まで5年かかったとすると、
その特許の存続期間は、20-5=15年ということになります。

「なんでこうなってんの?」

前回も言いましたよね?
知財レベルを早く上げるコツは、
「なんでこうなってんの?」
というのを追求することです。

特許の存続期間って、何で、登録から20年じゃなくて、
出願から20年で消滅するってなっているのでしょうか?

実は、登録から20年というようにすると、
こんな不都合があります。

例えば、出願すると、書類を補正することができるのですが、
その補正を繰り返すことによって、
登録時期を意図的に遅らせることができるんです。

登録が遅れれば遅れるほど、時が経過する訳ですから、
その技術が社会全体に浸透し易くなっていく訳です。

そして、もはや常識技術といわれるほど社会全体に
浸透したあたりで、頃合いを見て、特許を登録させる訳ですね。
そうすると、産業界としては困るわけですよ。

「そんな技術、いまさら特許と言われてもね~、
しかもこれから20年て、んなアホな」って感じ。

つまり、技術っていうのは、一歩一歩、積み上がっていく
ものなので、時の経過によって陳腐化するものなんです。
だから、いつ登録になるか分からない「登録時」を
スタート時とすると、昔の古ぼけた技術が特許になってしまい、
産業界全体が混乱することになりかねない訳ですね。

なので、特許というのは、
「出願から20年で消滅する」
ということにして、
「登録時」に係わらず、出願すると同時に、
その消滅時期が決まるようにしている訳です。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

 

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