第499回:特許の公報ってなに?

今回は、特許の公報のお話し。

今まで、特許についてこんな感想を
よく聞きました。

“こんな簡単なものでも、
特許になるんですね?
なんかおかしいですよね“

つまり、自分のアイデアはなかなか
特許になりにくいのに、
他者の特許には、こんな簡単に
特許になってるものがあるなんて、
おかしい、というニュアンスが
含まれてますね(^_^;

または、こんなんが特許になるんだったら、
自分のアイデアだって、当然、
特許になるはず、というニュアンス。

確かに、プロから見ても、
“よくこれで特許になったな~”
と思うものもありますね(^0^;)

でも、上記の感想の中には、
いろいろと見落としていることも多い。

見落としというのは、
だいたい以下の3つですな。

(1)公開特許公報を見ている
(2)出願日を考慮していない
(3)実用新案公報を見ている

まずは、(1)公開特許公報を見ている
について。

このパターンは、非常に多いですね(^_^;
まずは、特許出願してから、
通常の公開の動きを見てみましょう。

出願すると、特許になっていなくても、
1年6ヶ月後には、すべての案件が
強制的に公開されますね(@_@)

これが、“出願公開”というものです。
そのときの公報のタイトルが、こんな感じ。

●公開特許公報

そして、通常は、出願公開後に
特許になると、特許の内容が
強制的に公開されます。
つまり、特許前と、特許後で
2回公開されるんですね。
特許後の公報のタイトルが、こんな感じ。

●特許公報

う~ん、どっちもほとんど同じじゃないか。
“こんなんが特許になるのはおかしい”
という場合、特許になる前の
「公開特許公報」を
見ていることがかなり多いです(ToT)

そりゃ~、特許になる前の公報が、
「公開特許公報」で、
特許になった後の公報が、
「特許公報」って、
それじゃ、よく分からないよね(>_<)
行政のネーミングのセンスが
いささか良くないですな(^0^;)

特許後の「特許公報」は良いとしても、
特許前の公報は、
“まだ特許取れてません”という
ニュアンスを含ませたいね(^o^)
でも、「特許」という言葉を外してしまうと、
もう何の公報だか分からない。

ということで、例えば、
「未特許出願公報」くらいで
いかがだろうか。

次いで、(2)出願日を考慮していない
というケース。

IT系なんかに多いかな。
例えば、アマゾンのワンクリック特許
とかで、こんなんで特許取れるんなら、
この機能だって特許取れるはず、
というケースも多いです(^-^)

アマゾンのワンクリック特許って、
だいたい20年前に出願されて
ますからね(>o<)

まあ、当時でも、“よく取れたね~”
と言われましたが、
今となっては、20年前だし、
今は2019年だし、
令和の時代だし、
技術はとっくに進歩してますからね。
これから特許出願するときの
現在の技術レベルを基準に
考えないとイケませんな(^o^)

最後に、(3)実用新案公報を見ている
というケース。

このケースも地味にあります(^_^;
実用新案って、特許とは明確に違います。
実用新案って、特許と違って
審査されません(@_@)
なので、実用新案って、出願すれば、
ほとんど登録されます。

100年以上前のエジソンの電球だって、
亀の子タワシだって、
実用新案出願すれば、
ほとんど実用新案登録されます(^0^;)

なので、実用新案登録されていても、
それは特許が認められたということとは、
まったく違いますな(^_^;

以上をまとめると、
“こんなんが特許になるのはおかしい”
とちゃんと言うためには、
特許後の「特許公報」を見て、
その出願日の技術レベルと
現在の技術レベルとを認識する必要が
ありますな。

その上でなら、
“こんなんが特許になるのはおかしい”
と言うのは、全然OK。

まあ、状況を正確に把握したい、
ということですな(^O^)

それでは、また次回。

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●●今回のネオフライト奥義●●

・特許後の公報は「特許公報」。
・出願日を考慮しよう。
・実用新案と特許は違う。

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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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