第460回:特許の登録前に他社に何か言えるの?Part2

今回も、特許登録前の行使のお話し。

特許の登録前は特許権が
発生していませんので、
特許の登録前には、
他社の実施行為に対して
なにもできませんでしたね。

しかし、例外の制度があります。
それが、前回予告した
”補償金請求権”
(ほしょうきんせいきゅうけん)
という制度ですね(^_^)b

どういう制度かというと、
こんな制度です。

実施している他社に対して、
特許登録前に事前に警告する
ことによって、登録後に、
実施料相当額を請求できる
というものです(^_^)

実施料相当額を請求できる
権利ですから、
登録前に他社の実施行為を
止めさせることはできません。

また、実施料相当額というのは、
普通にライセンス契約した場合に
支払われる相当の額ですので、
特許権の場合に認められるような
損害賠償というような高額な
ものにはなりにくいです。

この制度はあくまでも例外です。
例外ということは、
例外が適用されるための
条件があります。
この条件をしっかり認識していないと、
”特許の登録前にも
権利行使できるんだね~”
という間違った認識が一人歩き
しちゃいます(ノД`)
だから、原則→例外という
思考の順番が大切なんですね。

補償金請求権という例外が
適用される条件は、
ザックリ言うと以下のとおりです。

●自社の特許出願公開後に他社が実施していること
●特許登録前に他社に警告していること
●特許が登録されること

これらの条件を満たすと、
理論的には、特許登録前の
行為に対して、実施料相当額が
もらえることになりますね(^O^)

ただし、繰り返しになりますが、
この権利を行使することができるのは、
特許登録後です。
特許登録前には、
他社の実施行為に対しては、
何もできません(>_<) つまり、特許登録前の他社の 実施行為に対して、 止めさせることができるか、 と言われれば、 止めさせることはできません。 したがって、正確に言うと、 特許登録前の他社の実施行為を 止めさせるということに関しては、 例外はありません(@_@) なにもすることはできなくて、 原則通り、他社の実施行為は、 自由ということになりますね。 補償金請求権を行使すると、 登録前に予め警告しておくことを 条件として、登録後に、 実施料相当額をもらえるだけです。 この制度が、使えるかというと、 実際には、なかなか使える場面は 少ないと思います(>o<)
事前に警告しないとイケませんし、
警告したとしても、実施料相当額
がもらえるだけですからね(T^T)
それなら、早期に特許を登録して、
特許登録後に堂々と特許権を
行使した方が良いですね。

ちなみに、わたしは、補償金請求権を
実務上扱ったことは一度もありません。
また、補償金請求権を行使した
という話しをお客様や弁理士仲間から
直接聞いたこともありません。

結構使いにくい制度なので、
特に中小製造業の場合、
”特許登録前には、無断実施者に対して、
何もできない”と認識しておいた方が
ベターだと思います(^_^;

続きは、また今度。

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●●今回のネオフライト奥義●●

・補償金請求権という例外がある!
・例外が適用されるには条件がある!
・補償金請求権は実務上ほぼ使われない!

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ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

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