第38回:特許の審査を遅くする?

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔 です。

さて、今回は、特許の手続のお話しです。
実は、今日(11月4日)、日経新聞の1面トップが、
特許の記事だったんです。

知財関係が1面トップになるのは、かなり久々です。
その記事が、特許の審査の開始時期のお話しでした。

審査の開始時期を遅らせることが
できるようにしようとしているらしいです。

まず、審査の開始時期っていつでしたっけ?

出願時?

いえいえ、特許の審査は、2段階になっています。
出願しただけでは、審査してもらえません。
出願したあと、審査請求という手続をする必要があるんですね。

だから、審査の開始時期というのは、理論上は、審査請求時です。
まあ、実際は、審査請求して、すぐに審査される訳ではないです。
だいたい、平均して、2年半くらいだそうです。

審査結果はすぐにでるので、審査請求すると2年半くらいで、
特許庁からリアクションがあります。
ただ、2年半というのが、”遅い”ということで、
特別な手続をすると審査開始時期を早くすることもできます。

それが、早期審査というものですね。
早期審査にすれば、だいたい半年くらいでリアクションがあります。
2年も早めることができます。

さて、今回の新聞のネタとしては、
着手までに2年半かかるという審査開始時期を、
遅らせることができるようにするということです。

なぜ、遅らせる必要があるんでしょうか?
普通は、みんな早くしたいはずですよね。
実は、製薬業界などの特別な業界では、
審査開始時期を遅らせたいという要望があります。

薬の開発は、とても大変なのですが、
特許出願してから製品化するまでも、数年かかることが普通なんですね。

そうすると、成分レベルで出願して、
2~3年くらいで結果がでてしまうと、
実際に製品になるより前に、権利化されてしまうんです。

開発当初の発明と、実際の製品化レベルでの発明とは、
若干の乖離があることがあります。

そのため、実際の製品レベルを特許の権利範囲に組み込めるように、
審査を遅くしたいということもあるんですね。
まあ、今日のお話しは、かなり難しかもしれません。
分からなくても、ぜんぜんOKです。

中堅・中小製造業にとっては、審査を遅くするというよりも、
審査開始時期を早くすることができる、ということの方が、大切です。

とくに、中堅・中小製造業にとって、
早期審査はかなり使えますので、覚えといて下さい。

それでは、また次回。

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川壮輔

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