第329回:アップルと個人の特許の争いとは?

 

こんにちは~、ネオフライトの宮川壮輔です。

さて、前回、未来予測について

お話ししました(^0^)

今回は、アップルのお話し。

最近、アップル日本法人に対して、

特許訴訟で約3億円の支払いを命じた

判決が確定しましたね(°0°)

要するに、アップルが相手方に

約3億円支払うということです。

実際には、100億円の支払を請求してましたが、

結局、約3億円になりました。

さて、その相手方とは誰か。

これが、個人の発明家なんですね(゜∀゜)

個人がアップルに特許訴訟で勝つなんて、

大したものです。

アップルの対象製品は、「iPod」。

あのリング状の上を指でなぞって

画面を操作するヤツですな。

あれって、リングを軽く指でなぞると、

画面がスクロールされて、

リングの特定の位置を押すと

再生されたりするようになってましたよね。

ちなみに、特許の内容は、

ザッと言うと、こんな感じ。

・リング状にタッチ位置検出センサがあって、

・このセンサに沿ってプッシュスイッチがあって、

・プッシュスイッチを強く押すとオンオフが行われる。

まあ、かなりザックリですが、

こんな内容でした。

アップルとしては、当然反論しました。

反論要素としては、主として以下の2つ(^_^)v

・自社製品は、権利範囲に入っていない

・この特許は、そもそも無効である

まあ、特許の侵害訴訟としては、

必ずと言っていいほど主張する

典型的な反論要素です(^.^)

結局、裁判所は、この2つの

アップルの反論を退けましたな。

つまり、

・アップルの製品は、権利範囲に入ってる

・この特許は、無効ではない

と、裁判所が判断しました(゜◇゜)

特許訴訟では、一般的に、

無効の主張が、結構強力だったりします。

今回は、特許の内容を訂正したりして、

無効の主張をはね除けました。

そうなると、次の争点は、

いくらの損害が発生したか?

ということになりますね(@_@)

これについても、いろいろと攻防があったようです。

結局、以下の式で算出されることになりました。

・売上高×実施料率=損害額

売上高というのは、基本的にiPodの売上高ですね。

実施料率というのは、

特許権を持ってる人に対して

通常支払うべき率ですな。

この実施料率というのは、結構 幅があって、

いくらとは一律には決まりません。

なので、いろいろと攻防が生じるわけです(`´)

ちなみに、通常の実施料率は、

ザックリと3%などと言われることが多いです。

ただし、iPodのような分野では、

平成4年~10年の実施料率の平均値が、

5.7%となってますね(@_@)

裁判所は、双方の主張を聞いて、

最終的に、それら売上高と実施料率を決めました。

どれくらいの数値かは、分かりません。

判決文を見ても、2つの数値は伏せてありました。

結局、以下のようになりました。

・売上高?×実施料率?=約3億円

まあ、日常的な生活感覚としては、

3億円ってスゲ~、って思いますが、

特許の損害額として、この金額が高いか安いかは、

わたしにも分かりません。

実際には、100億円請求していたわけですからね。

それでも、個人が巨人アップルに対して、

最高裁まで行って、

最終的に勝訴したというのは、

金銭的にも気力的にも

スゴいことだと思います(°0°)

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●●今回のネオフライト奥義●●

・特許の力の一つが損害賠償だ!

・実施料率は、一律で決まるものではない!

・個人でも巨人に勝てる!

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今回の特許は、日本だけのものでした。

もし、アメリカで権利を取っていたとしたら、

話しがかなり変わっていたでしょうな。

まあ、個人で外国の特許を取るのは、

金銭的には、相当キツイですけどね。

そのときは、補助金などを使って

うまく外国出願したいところですな。

それでは、また次回( ^o^)ノ

 

ネオフライト国際商標特許事務所
弁理士 宮川 壮輔

 

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